東洋経済CSR企業ランキング

CSR企業ランキング2020

本日発売となった『週刊東洋経済 2020年2/22号』で、東洋経済新報社の最新版CSR企業ランキングが発表されたので共有します。

「CSR企業ランキング」とは、東洋経済新報社が2007年から行っている「CSR企業調査」のデータを元に財務・非財務の両面を評価した、国内唯一のCSR総合評価企業ランキング(ESG/SDGs/サステナビリティなど含む)です。

この東洋経済の調査データは様々なCSR/ESG評価機関等でも活用されており、国内最大の調査・ランキングの一つとなっています。最近では関連書籍が多くの大学に置かれていることも増えているようで、企業分析などでも活用されているみたいですね。東洋経済のオンラインメディアでもいつくかの関連ランキングが発表されますし、このデータなどは数百万人にはリーチしていると思います。

雑誌では詳しいランキングが載ってますので急ぎで確認したい方はそちらでどうぞ。例年通りだと数ヶ月後にウェブサイトでも開示されると思います。

追記:2020年7月8日
ウェブサイトでもランキングが公開されました コロナ下で信頼される「CSR企業」トップ500社 社会的責任を果たしている会社はどこか

CSR企業ランキング2020

1、KDDI(2019年の順位、2位)
2、NTTドコモ(1)
3、日本電信電話(11)
4、花王(3)
5、富士フィルムホールディングス(5)
6、セブン&アイ・ホールディングス(17)
7、JT(17)
8、コマツ(6)
9、富士ゼロックス(7)
10、旭化成(10)
11、ダイキン工業(8)
12、キリンホールディングス(80)
13、大和ハウス工業(31)
14、ブリヂストン(4)
15、東レ(36)
16、富士通(23)
17、トヨタ自動車(19)
18、東芝(137)
19、積水ハウス(14)
20、三菱商事(47)
21、アイシン精機(39)
22、クボタ(12)
23、キヤノン(13)
24、オムロン(25)
25、ANAホールディングス(43)
26、アサヒグループホールディングス(29)
27、デンソー(9)
28、セイコーエプソン (14)
28、三菱電機(16)
30、Zホールディングス(28)

所感

今年の1位は、満を辞しての1位KDDIでした。先日、東洋経済でKDDIの方の講演を聞きましたが、単純に、がんばっているなぁという印象がありました。つまり、開示レベルも高いけど、ちゃんと目の前の活動にも注力しているのです。CSR活動は財務面とは違い、やったらやった分だけ成果になることも多い領域です。ちなみに2年連続1位のNTTドコモは2位。「人材活用」で開いた3ポイントがそのまま総合点の差になっています。

今年のトップ30社で圏外からのランクインは7社。100位以下から東芝が入ってますが、東芝は元々ベースとなる活動が以前からあった企業であり、実質的な下克上はそう簡単には起きません。まずないですが、100位前後の企業が30位以内にくれば「ジャイアントキリング(大番狂わせ)」です。滅多に起きませんがなくはないです。

結局、この手のランキングを上げるには、地道にCSR活動をしている企業だったります。「急がば回れ」です。王道以外に王道なし。今、評価が高い企業は、少なくとも5年以上前からCSR活動を積極的に始めている企業がほとんど。大手企業は優秀な人が多いので、企業評価の差は単に「他社より早く始めた(その分試行錯誤し精度を高められている)」というパターンもあると思っています。

東洋経済CSR企業ランキングを見てきて、今年で10年でしょうか。今でも多くの学びがあります。日本の総合CSR格付け(「東洋経済CSR企業ランキング」と「日経SDGs調査」)を舐めてる担当者の方がいますが、逆にいえば、この二つの格付けで上位取れないでグローバルの上位取ろうとするなんて、笑えないブラックジョークですから。

というわけで、国内総合調査で500社以上集めているのは、たしかこの2つだけで、しかもどちらも同じくらいに調査が始まる(5〜6月?)ので、今年こそはしっかり準備して回答チャレンジしてみてください。国内ではどちらもそれなりの影響力ありますので、上場企業で未対応は問題外ですよ!

2019年ランキング

1、NTTドコモ(2018年の順位、1位)
2、KDDI(2)
3、花王(5)
4、ブリヂストン(3)
5、富士フィルムホールディングス(6)
6、コマツ(4)
7、富士ゼロックス(8)
8、ダイキン工業(8)
9、デンソー(7)
10、旭化成(15)
11、日本電信電話(17)
12、クボタ(11)
13、キヤノン(10)
14、積水ハウス(12)
14、セイコーエプソン (16)
16、三菱電機(25)
17、セブン&アイ・ホールディングス(22)
17、JT(56)
19、トヨタ自動車(33)
20、村田製作所(18)

過去ランキング

東洋経済CSRランキング2019
東洋経済CSRランキング2018
東洋経済CSRランキング2017
東洋経済CSRランキング2016
東洋経済CSRランキング2015
東洋経済CSRランキング2014
東洋経済CSRランキング2013
東洋経済CSRランキング2012
東洋経済CSRランキング2011
※東洋経済オンラインの該当ページに飛びます。

掲載誌


週刊東洋経済 2020年2/22号

まとめ

東洋経済新報社のCSR調査および格付けは、日本国内では圧倒的な知名度を誇るCSRランキングでもあります。CSRに少しでも関わる人は必ずチェックしておきたいところです。

国内レベルで言えば、評価項目自体が日本におけるCSR活動全般の項目になりますので、一つの活動フレームワークとしても使えます。非上場企業の中小中堅企業なら、SDGsとかISO26000とか下手にグローバル・イシューの枠組みを活用するより、現実的なラインで、網羅的な活動ができるかと思います。(万能なわけではないのでそこは注意が必要)

また、東洋経済新報社ではこのCSRデータを販売していて、大学・シンクタンクからいわゆるESG評価機関まで購入しているとかしていないとか。東洋経済と日経の調査は国内調査だからと下に見ていると、他の様々なCSR/ESG評価も低下する可能性がありのでお気を付けください。

当方の勉強会「サステナビリティ評価研究会」でも、ベンチマーク調査の一つとして、最新版調査の研究・分析をしていきます。その意図や対応する具体的なCSR活動についてなど、実務的な点で議論を進める予定です。ご興味がありましたらどうぞ。