CSR担当者が読むべきSDGs本「SDGsの教科書」(足達英一郎)

SDGsの取り扱いについて

今回の読書メモは「ビジネスパーソンのためのSDGsの教科書」(足達英一郎/村上芽/橋爪麻紀子、日経BP社)です。

筆者がESG界隈の方なので、SDGsをCSR的な側面というよりは、投資や金融という側面から見ている箇所が多いです。

日本企業はもとより、世界的な先行企業の事例も産業別に紹介されています。マテリアリティの議論が浸透してきた日本社会ですが、その課題として産業別/業界別の取り組みに注目が集まっています。なぜなら産業別で取り組むべきイシューが大きくかわるからです。(そもそも産業別の手引きが公式に発表されるくらいですから)

読みやすいかというとそうでもありませんが、実務者には非常に有意義な内容ではあります。SDGsとは何か、というリテラシーレベルであれば、この本より、事例集のようなものもあるのでそちらを読んだほうがいいかもしれません。

本記事では特に引用はしませんが、久しぶりにずっと頷きながら読んでいる自分がいました。ESG投資やファイナンスの箇所をのぞいたとしても、相当学びがありました。

気になったキーワードは、インパクト評価の普及、SDGsは企業専用の利益創出のためのフレームワークではない、ロジックモデル分析、SROI、「SDGsの課題を右側におく思考」、SDGsをバブルで終わらせない(バブルが終わったもの→BOPビジネス、CSVなど)、など。

SDGsの課題

先日「SDGsウォッシュ」ともいうべき現象が起きているという話をブログに書きましたが、以前から、国連(旗が青いから)のグリーンウォッシュを「ブルーウォッシュ」というのだそうで。SDGsの色合いから「レインボーウォッシュ」という表現を使っている人もいるし、ウォッシュだらけで、何が正解がよくわかりません。ただ「見せかけだけのSDGs」が大きな問題になり始めているのは理解できます。

このあたりのネガティブな側面もきちんとまとめるのはよいですね。SDGs関連の雑誌・冊子などもですが、とにかくSDGsのポジティブな側面しか語らないものが多く、ちょっと危険な香りがしてたもので。CSVの普及や成果も冷静に見ているので、特定の趣味に走らないこういう方の書籍は非常に品質が高いです。

私は週3冊以上書籍を読み、気になった本は読書メモとしてまとめていますが、その中でも“べた褒め”することはあまりないので、この本がどれだけ面白かったわかっていただけるでしょう。

SDGs関係の本はいくつか読みましたが、タイトル通り、ビジネスパーソンとして読むべき関連書籍としては、まずはこれを読め、ということです。CSR担当者はもちろんのこと、IRや経営企画、広報などの方にもオススメできます。

SDGsの教科書

注目のSDGs(持続可能な開発目標)をビジネスの視点で解説。15の産業グループ別にSDGsのリスクと機会を分析する。企業担当者、金融市場関係者必読の書。


csr

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