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CSR/社会貢献の意識調査「社会意識に関する世論調査」(2017)

CSR/社会貢献の意識調査

先日、内閣府の「社会意識に関する世論調査」最新版が発表されましたのでシェアします。

この調査は文字どおり生活者の社会に対する意識調査であり、何か社会貢献的なことのみの調査ではありません。ただ官公庁の世論調査ということで、経年の変化を確認しておくのはよいと思います。

結果から申しますと例年通りの数字で65%程度の人が「社会の一員として何か社会のために役立ちたい」と思っている、とのことです。

社会への貢献意識

日頃、社会の一員として、何か社会のために役立ちたいと思っているか、それとも、あまりそのようなことは考えていないか聞いたところ、「思っている」と答えた者の割合が65.4%、「あまり考えていない」と答えた者の割合が32.1%となっている。

去年は、「思っている」と答えた者の割合が65.0%、「あまり考えていない」と答えた者の割合が32.4%という数字でした。誤差といえば誤差程度。ここ数年の数字は横ばいとなっていて大きな変化はないようです。

社会への貢献内容

日頃、社会の一員として、何か社会のために役立ちたいと「思っている」と答えた者(3,921人)に、何か社会のために役立ちたいと思っているのはどのようなことか聞いたところ、「社会福祉に関する活動」を挙げた者の割合が38.8%と最も高く、以下、「町内会などの地域活動」(30.1%)、「自然・環境保護に関する活動」(29.2%)、「自分の職業を通して」(24.8%)、「自主防災活動や災害援助活動」(24.2%)などの順となっている。

去年は『「社会福祉に関する活動」を挙げた者の割合が35.1%、「町内会などの地域活動」を挙げた者の割合が32.9%、「自然・環境保護に関する活動」を挙げた者の割合が31.6%』となっていて、社会福祉に興味を持つ人がやや増えたかな、ということでしょうか。

各項目の細かい内容をみると、まさに半径数メートルの社会認識というか、メディアで様々な社会課題が取り上げられる中、身近な部分の社会の課題に気付く人が多くなっているのかもしれません。これが、来年どうなるかで、誤差なのか傾向なのかがわかるでしょう。

参考データ

社会意識に関する世論調査(2016)
社会意識に関する世論調査(2015)
社会意識に関する世論調査(2014)

生活者の社会意識調査

◯社会問題に「関心がある」と答えた人は約8割だが、年々、低下傾向にある。
◯「社会のために役立ちたい」と考えている生活者は約7割。その比率は年々、微減傾向。
◯社会貢献活動を普段から行っている人は約2割。過去も含めて何らかの経験がある人は半数程度。
◯「社会・環境に配慮している商品」を積極的に購入する生活者は4割程度。「社会・環境に配慮していない商品」を「買わない」と答えた生活者は約6割。
◯社会・環境問題に積極的に取り組む企業に「好感が持てる」は76.8%。「その企業の商品・サービスを買いたい・利用したい」「その企業を信頼できる」も約4割。
博報堂研究開発局、 「2017年度生活者の社会意識調査」を実施

こちらの調査は内閣府ではなく博報堂研究開発局という博報堂グループ機関が行っているものです。

マーケティング的には興味深い内容ですよね。ただそもそも『社会・環境問題に積極的に取り組む企業に「好感が持てる」』って、むしろ、好感が持てないという方はどれだけ“天邪鬼”なのですか!というレベルだと感じたりします。詳しくは該当レポートを確認してみてください。

内閣府の「役に立ちたい65%の人」の実際の行動変容の一つと考えると、もっと傾向が見えてきそうです。

まとめ

2011年の東日本大震災以降、広い意味で、企業だけではなく個人の社会貢献活動も認知され広がったのですが、もう6年がたち、復興支援の熱が冷めてきているのでしょうか。

社会の利益と個人の利益を天秤にかければ、どんなに綺麗事を言ってもどこかで指標は個人に向くわけだし、社会貢献ムーブメントを維持するのが難しいということはわかりました。

「第二のアイスバケツチャレンジ」を目指すNPOや企業は未だに多いですが、それよりもっと身近な足元をみて生活をすべきだとも感じています。

企業として、生活者の意識や行動にどこまでエンゲージメントできるのか。企業サイドは、こういった調査をふまえながら、PDCAサイクルの構築をしていきましょう。

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執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]