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ミレニアル世代とCSR・社会貢献の関係性

CSRとミレニアルズの関係

ミレニアルズ(ミレニアル世代、ジェネレーションY)の世代は他の世代と価値観が違います。で、欧米でも日本でも、様々な調査によってミレニアルズは「社会貢献意識の高い世代」として認知され始めています。

定義は様々ですが、「2000年以降に成人する世代、1980年以降の生まれの世代(20〜37歳)」「1980〜2000年生まれの世代(17〜37歳)」くらいがよくあるラインとなっています。厳密には異なるのですが「ゆとり世代」とか「さとり世代」もミレニアルズと近い世代としてカテゴライズされることが多いようです。

「人口推計」(総務省統計局、2016年9月確定値)によれば、ミレニアルズ(20〜36歳)の人口は約2,000万人であり、日本の総人口の約16%くらいです。ここ数年で2,000万人の大台を超えました。生産年齢人口(15〜64歳)は約7,650万人なので、それなりのボリュームであることはご理解いただけるかと思います。

日本のミレニアルズの特徴として、「デジタルネイティブ」「未婚・晩婚」「社会貢献意識が高い」「倹約志向(コスパ重視)」などがあるとされます。私・安藤は1981年生まれのミレニアルズの先頭の世代なので、比較的実感値として感じられる側面があります。(私はすべて当てはまります)

とはいえ世代といっても20歳と35歳では価値観も大きく変わると思いますので、ひとまとめにできない価値観があるのもご了承ください。

ミレニアルズの動向を知ることで、CSR活動におけるステークホルダー・エンゲージメントのヒントになるかもしれません。世界のミレニアルズ関連調査を中心にまとめます。

ミレニアルズとCSR・社会貢献

ミレニアル年次調査

ミレニアル世代の半数以上は、慈善活動や大義のために貢献する機会が、職場で提供されていると回答しています。
「企業は倫理的に振る舞っており、企業の指導者は社会の向上に取り組んでいる」と考える回答者は、3年連続で増加しています。
2017年 デロイト ミレニアル年次調査発表

デロイトが世界30カ国、約8,000人のミレニアル世代を対象として行った調査では、当然、この世代の社会貢献意識の高さが目立っています。

人によっては「転職するかどうか」というマテリアルな情報として、企業の倫理的側面を考えていることもあるようです。社内のミレニアルズに関しては、社会貢献的な要素の情報開示をするとよいということなのかもしれません。年次報告ですので、気になる方は該当ページを確認してみてください。

紛争鉱物対応

・10人中9人が企業は社会に対してよい影響を与えるべきと考え、うち8人が自身も消費者として社会に悪影響を与えない製品を選ぶ責任があると考える
・10人中8人が紛争鉱物が使われていないことがラベルで表示されていると選択する上で助かる
紛争鉱物対応の先進企業へ Intelが取り組む若者向けブランディング

インテルの紛争鉱物に取り組むアクションとミレニアルズとの関連を調査したデータです。社会課題解決のアプローチが消費者のイメージアップになるのであれば、やらない手はありません。リアル“損して得とれ”です。日本企業のCSR活動もこれくらい貪欲になって、調査とブランディングを組み合わせて良いと思いますけど。

紛争鉱物への対応は日本語にもなってますので、興味がある方はコーポレートサイトを覗いてみてください。ちなみに、CSRのごく一部しか日本語になってません。グローバルでCSR評価が高いのに、日本ローカライズがほとんどないのはもったいないですね。

ワークライフバランス

回答者が最も好意的にみている企業は「従業員を公正に扱う企業」(73.1%)、次いで「社会的責任を果たしている企業」(46.6%)だった。また、回答者の70%は「柔軟な勤務時間」が最も重要と答えており、「基本給を最も重視する」と答えた人は、46%にとどまった。
ミレニアル世代が働きたい企業、トップは3M グーグル超える人気ぶり

全米優等生協会(NSHSS)の調査によれば、ミレニアルズはこういう傾向があるようです。倫理的要件を満たし、コンプライアンス順守をし、ワークライフバランスに気をつけてくれる会社、ということでしょうか。

日本で同様の傾向があるかというとなんとも言えませんが、日本でもワークライフバランスを重視する就職希望者は増えてきているし「従業員を大切にしてくれる企業」に入りたい、って当然といえば当然ですね。

ロイヤリティ/忠誠心

・社会の要請に適切に応えることで、自社のブランド価値を高めるという戦略的視点から、対外的にも社内的にも、企業経営の透明性を高め、主体的・積極的に情報開示を進める。
・また、事業を通じてさまざまな社会的課題、グローバルイシューの解決に取り組む若者との連携や支援を行う。
ミレニアル世代がもたらす変化を先取りし、企業の成長戦略の核に

経済同友会のレポートです。CSRを社内外での推進し、従業員のロイヤリティを高めようぜ!という経営者への提言です。ミレニアル世代の投資家はESG投資への関心が高い、という趣旨の話も書かれてますが、そこまでいくと部分的すぎる気もしますが、そうであってもまったく違和感はありません。

ミレニアルズのロイヤリティは、会社の“組織”というより“仕事”へのロイヤリティというイメージのようです。『企業や経営者が、社会や環境への貢献を、企業としてもあるいは経営 者個人としても継続的に行っている場合はミレニアルズから厚い支持を得られる。』ともしており、従業員とのエンゲージメントには、もはやCSR視点が欠かせないのかもしれません。

まとめ

CSR関連の部門の方はあまりマーケティングリサーチなどしないのかもしれませんが、今までの世代以上に企業のCSR担当者の味方になってくれそうなミレニアルズの動向を紹介しました。

逆に考えれば、世界でも3人に1人となるミレニアルズを味方にできない企業・ブランドは、ビジネスとして“終わっている”ということです。たしか日本の経営者の平均年齢は還暦を超えていたと思いますが、自分の価値観とは違うものを受け入れるのは大変です。ですので、変化できるマインドを持っている経営者がいる企業から成功している、というふうになるかもしれません。マジで。

数年前、某有名CSR先進企業に、CSRにも詳しいミレニアルズ当事者(日本に何人いるだろうか)としてヒアリングされたことがありますが、BtoC企業なので、CSR以外のマーケティング・セールス・ブランディングなどでも注目されているとのことでした。あれから、あの企業はミレニアル世代を捉えた社会貢献的マーケティングを実施したのでしょうか。

社内でも社外でもミレニアルズとエンゲージメントをする機会は今後増える一方だと思いますが、当然、ミレニアルズを世代論で終わらせるのではなく、社会貢献意識の高い人たちが社内外で増えているという認識を改めて行い、リスクと機会の両面を考慮し、事業活動をしていきましょう。

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執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]

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