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読み物としても興味深い「CSR白書2016」(東京財団CSR研究プロジェクト)

CSR白書

CSR白書2016

今回の読書メモは「CSR白書2016–変わり続ける社会、生き残る企業」(東京財団CSR研究プロジェクト)です。

本書はいわゆる「CSR経営」がテーマの調査レポートです。内容はグローバルな社会課題を中心としており、国内やCSRガイドラインにそった話はあまりありません。

僕が興味深いと思ったのは「ステークホルダーエンゲージメント」の項目です。調査企業の回答で「国内の社会課題」と「世界の社会課題」に関する項目がありまして、やはりというか当然というか、「国内の社会課題」に関心が集中しています。

SDGsがとか、世界の社会課題がとか、よく言われるところですが、本気で世界の社会課題に関心をもっている企業は100社ないというのが私の実感値なので、それが証明されたというか。いろいろな回答項目があるので、後日時間のあるときに詳細をチェックしたいと思います。

母数は調査回答のあった200社程度ですので、サンプルとしては少ない気もします。かなり意識の高い企業のみが回答している可能性があり、このデータをもって国内の最新動向と考えるのは危険なものの、トータルでのレポートの質の高さはさすがというところでしょう。

調査レポートの部分がそもそも少ないので、読み物として考えるほうが自然かもしれません。多彩な執筆陣がいてそれぞれの専門領域について解説しています。アカデミックなCSRの側面を学ぶには良い書籍です(逆にいえば世界がどうとかで実務的な話は基本ない)。

CSR実態調査って意外に一般入手できないので、「CSR白書」と「CSR企業総覧」(東洋経済新報社)の2つは、CSR担当者は購入したほうがよいでしょう。CSR企業総覧は数万円しますけど、競合分析もしやすいし、これくらいの予算は年度内に確保しておきましょう!

なお、僕の記憶が確かであれば、CSR企業総覧(2016年発行版)は11月末に発売だったと思います。そちらに関しては別途告知事項があるのでどこかで紹介させていただきますね。

CSR白書2016

第1部では、200余社の統計分析結果から日本のCSRの課題を明らかにしました。第2部では、社会の視点から自社の経営を見直すアウトサイドイン・アプローチの意義と可能性を、第3部では、投資家や金融市場の変化、ガバナンス改革の進展による影響を、第一線で活躍する実務家・有識者にそれぞれ論じていただきました。第4部では、事例分析を通じて、中小企業におけるCSRの意義と実現のための具体的な方法を探ります。



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執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]