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CSRコンサルティングの“提案”に、CSRコンサルタントがはまる罠とは

CSRコンサルティング

CSRコンサルティングの現状

毎年1〜3月は年度末ということもあり、CSRコンサルティングのコンペに参加させてもらうことが多いです。

上場企業はCSR活動をそこそこしているイメージがある人も多いと思いますが、全上場企業・約3,500社のうち、CSR報告書を出しているのは1,000社ありません。コーポレートサイトへの掲載があるのも55%程度です。上場していても、1,500社以上の会社はCSRに対して情報開示をしようとすらしてません。せめて、ウェブで1ページでも開示してくれれば第三者として評価ができるのに、残念ですね。

しかし、ここ数年で「スチュワードシップ・コード」や「コーポレートガバナンス・コード」などの投資家サイドからのプレッシャーが強くなり、2016年度から本気でCSRに取組む企業が増えています。おかげさまでそういった企業様からご相談をいただくことが増えています。

というわけで、僕もいくつもコンペに参加させていただいたわけですが、そこで感じたことをまとめたいと思います。正直、企業側・支援側どちらにも“耳の痛い話”なので、記事を読みたくない人は飛ばしていただいて結構です。僕自身もグッときます…。

CSRプログラムの「提案」の本質

大抵のクライアントとなるCSR担当者は、自社の本質的なCSR課題を言語化できてません。それができてたら、そもそも僕らみたいなCSR支援会社に相談は来ません(苦笑)。

しかし、この「提案」というのが難しい。多くのCSRコンサルティングは自社が支援できるプログラムの紹介を「提案」と考えています。つまり、クライアントの課題にフォーカスしていない、ということです。

自社の紹介とは「私たちはこんなプログラムを実践できますよ」というメニュー表の提示ですね。でクライアントに一番合ってそうなものを選んでもらう、と。

ヒアリングを相当しないと難しいのですが、第三者として開示されているあらゆる情報から、CSRの本質的な課題を仮定としてまとめ、それに対するソリューションを提案する。これが理想的な「提案」だと考えていますが、例えばパートナー企業様からのご相談で直接面識のない企業様に提案をするとなると、それがなかなか難しい。

他のコンサルティング業務の相場や内容は知りませんが、CSRコンサルティングとなると、支援される側も支援する側も実はよくわかっていないことがよくあるんじゃないかと。

CSRコンサルタントの情報量

例えば、CSRコンサルティングができる人(もしくは“CSRコンサルタント”と名乗る人)で、書籍(単著)を書いている人はほとんどいません。CSR支援の業界では有名な人で単著を書いている人はいますが、現場のコンサルタントのレベルは言わずもがな。

書籍を書けば偉いのかと言われると難しいですが、少なくとも出版社がコストをかけて“この人の本ならウチから出してもいい”と思い、加えて著者側に実際に本を書き上げるだけの情報・ノウハウを持っている、という指標にはなります。

この条件に当てはまる人って20〜60代まで含めて、日本で何人いると思います? 実は僕含めて10人いないんですよ。ちょっと話がズレましたが、CSR支援をする人でもCSRの情報量ってたいしたことないということです(そうでない人もまれにいますが)。だからこそ、第三者としてのCSRコンサルタントとして、お仕事をさせていただけるのかなと思っています。

ですので、企業側として“手法”にこだわりすぎず、会社としてのKPIを共有し、それを達成できるCSR支援会社に発注したほうがよろしいかと思います。アイディアを持っているというか、課題解決のためなら自社だけではなく、様々な形で解決案を提示してくれるCSRコンサルティング会社は親切なほうだと思います。

まとめ

と色々業界に対する批判を綴ってきましたが、私自身の知識・ノウハウのなさを棚に上げるわけではありません。日々精進する努力を怠る気はありません。このブログをはじめてとして、相当量の情報発信はしているつもりです。

僕のミッションは「日本企業のCSRレベルを上げる」です。僕はまだまだ業界での知名度が低いし大先輩の実績にはとうてい追いつけませんが、「人を変え、企業を変え、社会を変える」というミッションを愚直に実践していきます。実際、できるのは日本で僕しかいないと思っています。いや、マジで。

僕が一日歩みを止めると、日本のCSRが一日歩みを止めてしまう。それくらいの気持ちで企業様に価値提供をコンサルティングを通じて提供していく所存です。

愚痴っぽくなりましたが、現場からは以上です。

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執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]

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