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CSR活動において量と質を分けて考えている時点で思考停止

CSR講演研修

CSRの行き止まり

講演や研修でもしばしば質問される設問で「CSR活動は“量”を求めるべきか“質”を求めるべきか」というようなものがあります。

最近もこの手の質問があり、どのようにお伝えすればご理解いただけるか悩んでいましたが、良い表現を見つけたのでシェアしようと思います。

結論からいいますと「定義を明確にしないと、思考停止で終わっちゃうよ」ということです。

質と量の差

結局ユーザーの気持ちになれば、どちらも大事だ。一つ一つの記事の質が低ければ、二度とこないし記事の数が少なければ、再訪問しない。というか忘れてしまう。というか、そもそも「質」か「量」かには、「両方大事に決まってるだろ」という回答しかあり得ない。あなた達が言う「質」と「量」のどちらが大切ですか?という問いは、どこで手抜きすればいいですか?という問いなのでは?手抜きしたら、ユーザーにはすぐに分かる。
量か、質か?という問いは、思考停止である。

上司と部下の会話の中で、メディア運営の仕事において考えるべき姿勢の話をしている場面です。

「量が多いけどマズい定食屋と、味は良いけど、お腹がいっぱいにならない定食屋、どちらに行く?」、「服を買いに行ったとして、カッコ悪い服がたくさんおいてある店と、デザインの良い服が置いてあるんだけど、サイズや品数が無い店、どちらに行くか?」、という例題も出しています。

答えとしては、「量も質も大事であって、分けて考えている時点で言い訳になっている」ということです。これは、まさに、僕が言いたいと思っていたことでした。

これって、CSR活動でも言える気がします。例えば「CSR活動でトップダウンとボトムアップどちらが重要ですか?」なんて質問を受けたことがあります。そんなのどっちも大切に決まってるじゃん。どちらかだけでうまくいくほど世の中甘くありませんよ。これも思考停止の典型例だと思います。

思考停止からの脱出方法

「質」か「量」か、という抽象的な問いをしてはいけない。質はきちんと定義すること。そして量は、数値目標をきちんと持つこと。これが第一歩だ。質か量か、と質問してはいけないのは、それが思考停止を引き起こすからだ。
量か、質か?という問いは、思考停止である。

このセンテンスに答えがすべて詰まっていると思います。「質か量」議論でやっかいなのはこの抽象性です。

例えば、よく見聞きする、「良いCSR活動」、「信頼される企業になる」、「企業価値向上」などもとても抽象的で、結局何をいっているのかわかりません。「良いCSR活動」ならば、「何ができると、何が達成できると“良い”のか」を定義する必要があります。

CSRの概念はとても範囲が広く抽象的です。CSR活動を行なう上で重要なことは「定義すること」です。もしくは「見える化すること」(定性化・定量的化)です。だから「CSR方針」(CSRポリシー、ミッション・ビジョン)が大切なんですよ。

CSRの活動や成果を“定義”できない担当者は……これから定義していきましょう。

まとめ

こういっちゃうとアレだけど、CSR担当者の人選で、企業のCSRのレベルって決まります。結局は人なのよ。CSRも経営も。

企業が経営者の器以上にならないのと同じく、CSRも担当者を大きく超えるインパクトは生み出せません。担当者の成長なくして、企業のCSR推進はありえません。

経営者のCSRに対するコミットメントが重要なのは当たり前。でも、CSR担当者のコミットメントがなければダメだよ。あなたは社会に試されているんだよ。

で、今年は、CSR活動の質と量の、どちらを取りに行くのですか?

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執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]