ソフトバンクCSR

ソフトバンクのCSR

1月18日にソフトバンク(東京・汐留)で行なわれた、「社会に貢献するビジネスアイデアコンテスト」(以下、アイデアコンテスト)に、外部審査委員として参加してきました。で、色々思う所があったのでまとめを。

昨年4月のアイデアコンテストに引き続き、外部審査委員としてコンテスト上位ランカーのグランプリを決める役です。今回は、僕の他にCSR系メディア、ベンチャーキャピタル、PRコンサルタントの方々の合計4人でした。

このアイデアコンテストはソフトバンクグループ全社員が対象で、アイディア部門と事業部門の2部門制。アイディア部門は“ノリ”、事業部門は5つの評価軸での総合評価をしました。

内容の詳細は出せませんが、事業部門の最終選考に残ったアイディアは「視覚障がい者支援システム」、「ウェブ世論調査」、「監視カメラ付き照明」、「シニア向け自動運転車」、「シニア向け弁当配送」の5つ。ちなみに、グランプリはソフトバンク社ではなくYahoo!JAPANの方のアイディアでした。これ実現したら、マジで日本が変わりそう。

残念ながら、世間的なCSR評価では大手3社中最下位のソフトバンク。au(KDDI)さん・ドコモさんのCSR部門がマネできるかどうかわかりませんが、活動のユニークさでは他に負けてないと思います。これはお世辞ではなくマジで。

社会に貢献するコンテスト

ソフトバンクグループでは、社会のニーズに応える先駆的なアイデアを発掘するとともに、従業員が改めて社会のニーズなどについて考える機会となるよう、社員から社会課題の解決につながるビジネスアイデアを募り、選考を経たものを事業化するコンテストを2012年から開催しています。2015年4月には4回目を迎え、これまでに集まったアイデアは約1,700件、そのうち8件が事業化し、社会課題の解決に役立っています。
(ソフトバンクグループ CSRレポート2015、より引用)

従業員の方のオープン参加もあり、準備されてた一般席がほぼ満席になってました。ビル内エレベーターのデジタル・サイネージでこの件の紹介がずっと流れてましたし(他のチャリティプログラムの紹介もあった)、全社的な取組みになっているんだなと実感。

ちなみに、このアイデアコンテストから生まれた「かざして募金」という寄付プラットフォームでは、先日、寄付実績で1億円突破したそうです。

ソフトバンクとしてアイデアコンテストはどんな立ち位置かというと「社員・企業・社会の3者がwinでつながる取組み」とのこと。アイデアコンテストのグランプリおよび上位ランカーのアイディアは、事業化を目指しCSR部門が全面的なバックアップをするということで、CSR部門がまるで新規事業開発部門に見えたのは僕だけではないはず。

ソーシャルビジネスとかCSV的なアプローチ方法ですね。いいじゃん。

CSRの枠組みでのアイデアコンテスト

昨今、CSR・社会貢献の社内浸透施策として注目される「社内ビジネスコンテスト」。コンテスト参加=CSRプログラムに参加、みたいな図式もあり、ジブンごととして従業員が感じられると思います。

大手企業(BtoC)の一部ではこのような取組みが行なわれているようで、社内活性化を計る上でも重要な施策だと思います。では、これをわざわざCSRや社会貢献部門が担当する意味は何か。これは明確で、CSR活動における「社内浸透」、「ロイヤリティ強化」、「従業員満足度向上」などが挙げられるでしょう。イントラネットで情報発信をしたり、紙の社内報を配布するだけではこれらの効果を得にくいですよね。

外部の網羅的なCSR評価を上げる取組みとは別方向になりますが、企業として一番接点の多いステークホルダーでもある従業員と正面から向き合うプログラムなので、運営は大変でしょうが成果は大きいと思います。

噂では、ソフトバンクのCSR活動は定量化が進んでおり、経済的リターンも計測しているそうです。結構な金額なんだって。2014年7月に書いた取材記事『ソフトバンクのキーパーソンが仕掛ける、次なる一手「かざして募金」』でもお伝えした通り、このあたりは他社に先駆けて取組みが進んでいます。この評価システムは日本でもトップクラスなのかも。

CSR部門トップのビジネス・マインドが高いというのはあるでしょうが、部門全体がソーシャルビジネスに向かっているというか、まさにCSV的な発想をしている所が好印象です。詳しく話しを聞きたい方はインタビューでも申し込んでみてください。教えてくれるかどうか知りませんけど、2016年春以降に大きなアクションがあるとかないとか…!!

まとめ

ビジコンの審査員って、後にも先にもソフトバンクさんの件しかしたことがないのですが、この中のアイディアが数年以内に実施されると思うとワクワクが止まりません。

CSRを社内に浸透させる一番早い方法は「社長の“鶴の一声”」です。社長が本気で「やれ!」って言えば、やらないわけにはいきませんから。ただ多くの企業の場合、ソーシャルマインド・マインドが高い社長が少ないので、アイデアコンテストみたいに事業機会創出(オポチュニティ)の取組みをボトムアップで行なうことも必要です。

年1回のCSR研修をするより、こういったコンテスト形式でCSRの社内教育を兼ねるみたいのもよいかもしれませんね。

残念ながら、今の僕のスマートフォン・キャリアはauなのですが、今年のコンテスト上位企画がホントに実施されたら、マジですごいので乗り換えを検討しようと思います。モバイルWifiはワイモバイルなので、まずは許してくださいソフトバンクさん。

結構、誉め称えた記事なってしまいましたが、ステマではないのであしからず。

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スマートフォンで支援の輪を広げたい 「かざして募金」による寄付総額が1億円を突破