社会貢献はビジネスなのか?社会貢献が“儲かる”のか考えてみた。

社会貢献ビジネス

社会貢献ビジネスって儲かるんですか?
というわけで、今回のテーマは「社会貢献ビジネス」について、
少し考えてみたいと思います。

社会貢献とは、公益或いは公共益に資する活動一般とされてます。
つまり、「自分以外の、誰かの利益」のための活動ですね。

ビジネスとは、経済行為。意味の範囲が広く、商慣習から、
一つのドメイン(事業領域)などを指すこともあります。

で、社会貢献ビジネスとは、ビジネスを通じて社会貢献をするということ。
(言われなくてもわかっている、と言われそうですが…)

以前の記事でも書いていますが、
CSRや社会貢献ビジネスが儲かるかどうかはやり方次第です。

では儲けている人たちはどうやって儲けているのでしょうか。
去年、海外の「SocialGood(社会善)」事例を学ぶ報告会がありましたので、
そちらの内容も踏まえて少し考察してみましょう。
今回はスケールを大きく捉えてみます。

社会貢献ビジネスの必要性

まず、その必要性について。
社会貢献ビジネス(CSR・ソーシャルビジネス含む)の必要性で
こんなエピソードがあります。

ユニクロの柳井氏のエピソード。
彼は元々CSRは嫌いだったそうです。

しかしグローバル展開をするにつれて、
さまざまなNGO/NPOから突っ込みを受け、
国連機関と組んでソーシャルビジネスをすることが武器になる、
ということに気付いたのだそうな。

実は、世界でビジネスをする日本企業のトップの方で、
こういったエピソードが複数あるんです。
武器(差別化要因)として社会貢献ビジネスをするんだ、と。
CSRを強力に押し進めていくのだと。

例えば、日本で主に活動をしていても
環境NGOから叩かれることは少ない様ですが、
海外では、NGOはある種、企業の敵。
相当突っ込まれる部分も多くあるようです。

儲けるという文脈ではないですが、世界(特に欧米)で事業展開をするには、
社会貢献ビジネスが必要だということです。
ただ社会貢献(慈善事業)をするだけなら誰でもできる。

でもビジネス、つまり、戦略的な社会貢献の展開をし、
企業益を持ってくる必要があるのです。

見返りが、ハード(売上げ)だけでなく、
ソフト(ブランディング・PR効果など)面ということもある。
損ばかりすることに、企業は予算を出せませんからねぇ。

[2012年版]今年のまとめ!CSR・コーズマーケティングの事例・記事12選

Social Good Summit

2011年9月19日〜22日にNew Yorkで開催された第2回となるSocial Good Summit
Mashable、UN Fundation、92nd Street Yの3者で開催され、
企画はMashable(ブログメディア)が務めていました。

こちらで、実際プレゼンをした方、参加された方を招いた報告会に参加したことがあり、
そこで、カルチャーショックともいうべき内容があったので再度共有します。
今年も来月9月にも開催されるみたいなので、今のうちの少し復習を。

特にアメリカにおいては、SocialGood(社会善)は”ビジネス”であるということ。
アメリカは寄付とかNPOの活動が日本より活発なのは皆さんご存知だと思います。
しかし、裏側では壮絶なビジネスの香りがする大イベントだったようです。

詳しい内容は言えませんが、日本の社会貢献イベントとはまったく異なり、
ビジネス界のトップクラスの人たちが集まり、
ものすごい金額とネットワークが動いているとか。

企業誘致(協賛営業)のブレックファースト・ランチ・ディナーはもちろん、
NPO/NGO側の動きもとても活発。
しかも、そこに日本のスピーカーはいない。
日本人で参加した人もいるが、米国NPOの方である。

世界の社会貢献ビジネスは、日本より進んでいるとは聞いていたが、
日本は世界規模のカンファレンスに参加(パネル・プレゼン)すらしていない。
つまり、世界での議論のテーブルにすらのっていないのです。残念ながら。

そこでの議論は、5年・10年・30年後の世界をどうしていくべきか、などというもの。
世界の覇権に加わることがすべてとは言いませんが、
日本は”アウト・オブ・眼中”なんですって。かなりショックな内容でした。

社会貢献ビジネスで巨額マネーが動き、それで儲けている人がたくさんいる。
そして、そんな世界を知らない人がもっとたくさんいる。
カルチャーショックすら受けました。

参照:全世界が注目する社会貢献ビジネス、「one for one」の超絶Coolな3つの事例

まとめ

社会貢献ビジネスは儲けるか?
儲けます。世界では、とてつもない金額が動いています。

この文脈としては、社会起業家(社会問題をビジネスで解決する人)も、
企業のCSR活動も含まれますが、慈善事業だとか、
戦略的だとかそういったレベルを遥かに超えたステージが世界にあるのもまた事実。

現場レベルとしてどうしていくかというのを考え実行していくのは、
とても重要なことですが、大局観として、
こうした事実も知っておく必要がありますね。
もはや、CSRとかミクロな視点ではなく、
「Good」(社会に良きこと)というビジネススタイルが、世界では確立しているのです。

世界で、Goodが通貨として流通している。
世界で、Goodなことに予算が回る仕組みができている。
世界で、超優秀なNPO代表と企業トップたちがつながっている。
世界は、ルールを作り、ゲームそのものを変えようとしている。

良くも悪くも、日本にはSocialGoodという文化はありません。
でも世界では当たり前のように存在しています。
日本に文化がないから、では世界でビジネスはできないでしょう。

もちろん、だからといって日本企業が何もしていないわけではないです。

日本企業の日本への社会貢献ビジネスの流れも、
僕もまだまだ知らないことばかりですので、
追々まとめていきたいと思ってます。

さぁ、あなたは世界の動きととてつもない金額が動く社会貢献ワールドを、
胸を張って“儲からない”と言えますか?
言えるって人は世界を知らないだけなのかもしれません。

All PHOTO BY MorgueFile


執筆者安藤光展/CSRコンサルタント
1981年長野県生まれ。CSR/SDGs経営、CSR情報開示の専門家。著書は『創発型責任経営-新しいつながりの経営モデル』(日本経済新聞出版社)ほか多数。日本最大級のCSR担当者コミュニティ「サスネット」主宰。

戦略的なCSR情報開示をお求めなら、私にご相談ください。


CSR/サステナビリティ情報開示を専門分野とし、経営戦略まで踏み込んだコンサル型の開示支援を行なっています。成果にこだわる情報開示をお望みの方、良いCSR報告書・CSRウェブサイトの制作会社がいないとお困りの方は、是非ご相談ください。

安藤光展のプロフィール
CSR情報開示の「第三者評価プログラム」

CSR/サステナビリティに関する勉強会・研究会を主催しています。これからCSR推進活動をする初級担当者、他社担当者と情報交換したい方、組織のCSR評価を一段階上げたい方、などにおすすめです。

日本最大級のCSR担当者コミュニティ「サスネット」
企業評価および情報開示を学ぶ会員制勉強会「サステナビリティ評価研究会」