再考必須!CSR広告とブランディング思考。

CSRと広告

CSRと広告、直接関係はありません。少なくとも今までは。
昨今面白い動きが多くなってきているので、今回ご紹介したいと思います。

ちょっと長めの記事ですので、以下目次です。

1、そもそも広告って?
2、CSR広告とは
3、CSR広告の基本は聖徳太子?
4、ソーシャルアライアンス
5、3EというCSRフレームワーク
6、まとめ

そもそも広告って?

そもそも広告とは何でしょうか。読んで字のごとく、
「広く告げる」ことであり、情報伝播・宣伝活動の手法です。

昨今、カンヌをはじめ、世界の広告賞では、
注目されるもののいくつかがソーシャルイシュー(社会問題)を
扱ったものであるのです。CSRというコミュニケーション。

つまり、広告主(企業)がコミュニケーションの一つとして、
CSR広告を制作し、発表するのです。

また広告会社が、NPO/NGOの広告で
賞を取るといったことも多かった印象があります。

ブランディング活動の一環ですね。今までのCSR広告は、
内容も「イメージ広告」で、受ける感じとしては新年元旦の
新聞広告に近いものも多かった印象があります。

そういったモノではなく、「本気」で作ったCSR広告が増えているのです。
母数が増えれば、広告賞などのアワード受賞数も増える。

まぁ、この流れはわかっていたことではあります。
日本では相変わらず、環境広告と呼ばれる「エコ」を
訴える広告訴求が多いですが、本来CSR広告とは、

「企業の文化・理念・製品/サービスについて、社会風土を踏まえて表現し、本業における社会的意義の訴求、社会的課題の啓発をする広告」

でなければならないと考えています。

日経アメリカ社ロサンゼルス支社CSRプロジェクト主催の
田邉雄氏も同様の表現をしています。
環境広告が悪いわけではないですが、それだけをCSR広告とするのは
いささか乱暴な話しかと思うのです。

CSR/SR広告がいかに重要か。
それは、増え続けているCSR関連の広告賞が物語っています。

世界の流れは止まりません。そういった状況もあり、
日本のクリエイター達も”何か”に気がつき始めているのではないでしょうか。

広告会社も企業サイドからの要望が増える中、
上辺だけのコミュニケーションではなく、
企業の本質を語る対話構築をしていただきたいものです。

それこそ、広告会社もCSRに詳しいNPOとアライアンスを組み、
広告会社自身のCSR構築推進も望みます。

世界の流れを見ますと、広告がソーシャルコミュニケーションそのもの
であると、やっと認識され始めたと感じています。

CSR広告とは

CSR広告とは、呼んで字のごとく企業のCSRアクションをPR・宣伝すること。
私へのご相談も最近増えております。

あのアメリカでさえ慈善活動(CSR含)は大々的に
告知する必要はないと思われておりましたが、
少し前に、ウォーレンバフェットとビルゲイツが富豪層に
資産の半分を寄付するよう呼びかけたそうです。

その想定金額は約50兆円。ものすごいソーシャルインパクトです。
理由は「黙ってしていては、善意が途切れる。
告知してこそ善意が善意を呼び、ソーシャルアクションとなるのでは」と。

つまりは、善意を広める・ソーシャルインパクトを出すには、
広告つまり伝えることが必要なのだということです。

For Goodなことを伝えるのに、恥ずかしいこと、臆することなんてないですね。

また、一言に広告といっても手法は様々なものがあり、
最近で言えば、Twitterを始めとするソーシャルメディアと呼ばれるものもあります。
大手企業で言えば、TV・新聞などのキャンペーン的広告なども視野に入るでしょう。

では、良いCSR広告とは何でしょう。
とても難しい問いの一つですが、

「おごるな。企業は、【社会】に存在させていただいているものだ」

というドラッカーの金言が鍵になるのではと思います。

つまり、CSRをしてやっている、本業に関係ないけど、
言われたからやっているというトンマナ(トーン&マナー、
広告全体の雰囲気・デザインのこと)になっていしまってはいけない。
広告ありきのCSRアクションは見透かされるということです。

おごる心があっては良いアクションはできません。
あくまで社会を構成するものの一つが企業なのだから、
謙虚に行きましょう、と。

また、広告はあくまでも付加価値を表現することであって、
CSRアクションそのもの質がCSR広告の質になってくるものと思います。

広告はあくまでも目的を達成するための手段です。
CSR広告においては特に「目的と手段のはき違え」
が起きやすいように感じています。
結論、良いCSR広告とは、良いCSRアクションを行う事だと思います。

CSR広告の基本は聖徳太子?

1300年以上前に、SRの概念を説いた方がいます。
そう、聖徳太子です。彼の「和」を重要視する考え方はまさに、
現代のSR理論(CSR)の原型になるのではと思います。

『和を以て貴しとす』。現代風に解釈すると、

「和をなによりも大切なものとし、いさかいをおこさぬことを根本としなさい。人は組織を作りたがり、悟りきった人格者は少ない。しかし上の者も下の者も協調・親睦(しんぼく)の気持ちをもって論議するなら、おのずからものごとの道理にかない、どんなことも成就するものだ。」

といった憲法の内容です。

厳密に『和を以て貴しとす』を広告コピーとは言えないかもしれませんが、
非常に意味深いコピーであることは間違いないですね。
この短い文言が、世の中に広く伝わるきっかけにもなったようですし。

ソーシャルアライアンス

以前、日本的CSRは「ホワイトリスト方式(善を肯定する)」であると、
説明しました。これは日本的CSRが、企業性善説の上に成り立っていたから
とも言えます。

ゆえに日本企業はNPO/NGOとアライアンスを組み、
CSRコミュニケーションを進めるのも、
CSR広告には欠かせない事かもしれません。

ソフィアバンク代表の田坂広志氏は
「企業はCSRを超えて、ソーシャルアライアンスを進めるべき」と、
言っています。

他社と組むことで、
より自社のアイデンティティが明確になるというのはあると思う。
ぜひ、企業はNPOとアライアンスし、CSR広告のシナジーを広げていただきたい。

また、広告会社もNPOとアライアンスを組み、
社会的課題の解決には何をすべきなのか、徹底的に議論をしていただきたい。

僕は、デザインは、「整理し、導くこと」であると定義しています。
コーポレートアイデンティティを確認し、
本業と社会的課題への取り組みを将来へのビジネスモデルとしてデザインする。

これがCSR広告ではないかと。デザインされ、共感を呼ぶCSR広告が、
アワードに評され、より広く告知されることを望む次第です。

もちろん、CSR広告のさらなるクオリティアップも必要ですが、
昨今の広告賞を拝見させていただいて、
広告も捨てたものじゃないな、と勝手に感じています。

CSRレポートを数百件制作したなどの実績をチラつかせる
制作会社が相手をするのは中堅・大企業ばかりです。

それこそ、社員一人の企業でも、
CSRについて話しをできるパートナー(広告会社・NPO・コンサルタントなど)
をみつけ、CSR経営を実践していただきたい。

本来は広告の前に、CSRが経営中枢の概念として理解されていなければ、
広告なんて意味がありません。経営の本質を理解しているからこその、
CSR広告。目的と手段は間違えないように気をつけましょうね。

3E

僕は、3EというCSR広告のフレームワークを推奨しています。
3Eとは「体験、感情、絆」という頭文字です。

企業に物語、つまりなぜそのCSRアクションを選んだのかが必要です。
理由のない行動は、理解されにくいものです。
それこそが唯一無二の体験をステークホルダーに提供することになる。

そして、それがステークホルダーの感情を揺り動かし、行動を促し、
企業とステークホルダーではなく、
より良い未来を共に作るパートナーとして絆を築いて行くのでは、と。

そもそも、ステークホルダーの共感を得られない
CSRは誰のためにもならないのですから。

そして、ストーリーがあれば、それに共感する人が出てきます。
そして、その共感した人は企業のファンとなり、
購買という同調行動を取ります。

これが僕の提唱するCSR広告の基本の”キ”です。
あくまでもブランディング・PRが広告の最終目的です。

まとめ

つまり、和という考え方は、相手を思いやり、
彼らのために何かしたいという姿勢を表現しコミュニケートすることと解釈できます。

身構えずに社会、地域、企業、家庭、個人で
実践すべき平和的コミュニケーションに通じると。

CSR広告においては、「誰かのために」をロジカルに
まとめることができないと、デザインに落とし込むのが困難となります。

当たり前なのですが、それがなかなか難しい。
CSR広告は一般的なキャンペーンより、難易度が高いPR手法です。

だからこそ、本質がずれないように第三者意見や
セカンドオピニオンなどを受け入れることも大切なことになります。

CSRアクションを継続的に行い、告知し、共感してくれるパートナーを増やす。

「共感のコミュニケーション」を取り入れ、お客様をパートナーとして
向かい入れることによって、ロイヤリティの高い、企業文化(ブランド)が生まれる。

「戦略」から「ストーリー」へ。
「攻略」から「共感」へ。
「ターゲット」から「パートナー」へ。

購買者や株主などのステークホルダーは敵や攻略すべき相手ではなく、
企業と共に成長を歩むパートナーだという考え方がCSR広告には必要です。

CSR広告とは、アイデンティティ・デザインそのものだと考えています。
あなたには、その心がありますか?


<お知らせ>
・2021年2月20日:次回情報開示勉強会「テーマ:デジタル時代のCSR報告」(4/14)の告知を始めました

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