社会貢献活動実績調査結果

先日発表された経団連の「社会貢献活動実績調査結果2013」のまとめを。

経団連は毎年この調査をしており、定性的なデータとしても、企業の社会貢献活動のエビデンスとして企画書等で使えます。

2011年度社会貢献活動実績調査
2010年度社会貢献活動実績調査

経団連は女性の活躍支援・推進活動も推奨しており、そのあたりの話は「大企業のCSR担当者必見! 女性が活躍する企業事例まとめ74社」という記事でまとめています。

社会貢献活動実績調査結果

この調査は、2013年5〜8月に行われ、対象企業は「経団連会員企業、および1%クラブ法人会員企業等(計1,326社)」となっております。(有効回答数3割前後)

支出合計額は1,771億円、うち東日本大震災関連支出(143億円)を除く額は1,627億円。
1社平均支出額は4億4,600万円〔前年度比21.9%減〕…東日本大震災関連支出(3,600万円)を除く額は4億1,000万円〔同10.5%増〕。
東日本大震災関連の支援活動に多額の支出があった前年に比べれば減少したものの、震災関連支出を除いた額で比較すればやや増加。
(同調査より)

やや増加というのが流れのようですね。震災以降、CSR活動の見直しなどもあり、積極的な企業が増えているようです。

しかしぶっちゃけですねー、このあたりの予算ってあまり変わってないみたいです。90年代から多少の前後はあっても、大きなトレンドとして増減があるというものでもないようですよ。

社会貢献動向
(同調査資料より引用)

調査雑感

資本金が大きい企業の支出が大きく、資本金の小さい(とはいっても数十〜数百億円)企業の支出金額は少なくなっております。当たり前か。

支援の分野別でみれば、「教育」がダントツトップ。震災があったからか「防災」は2倍に伸びています。日本でのCSR経営において難易度が高いといわれている「人権」は相変わらず不人気。

人権というのも難しいけど、現場的な解釈で言えば、従業員への配慮とかも人権なんですけどね。ただ、従業員への配慮をしたところで、社外の人の評価が即高くなるというわけではないのが、取り組みが遅れる原因なのかもしれません。

また、本調査で興味深かったのは、3割の企業がコーズマーケティングを実施(もしくは今後行う予定)しているということ。1割くらいかと思ってたのに、結構積極的やん。ちなみに、コーズマーケティングとは、社会的課題の解決と収益拡大の両立を目指すマーケティング手法のこと。寄付金付き商品の販売が有名です。

しかも、コーズマーケティングの担当は、社会貢献担当(CSR部?)が2割程度で、8割が他部署主導で行われているとか。このデータは興味深いですねー。そして、その理由も、慈善事業的なものではなく、「他社との差別化」、「イメージアップ」など、マーケティングやブランディングにつなげようという試みのようです。

その他、従業員の社会貢献活動の支援や、経営戦略としてのCSRマテリアリティ(重点項目を決めること)の話もありました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

中小・中堅企業にとっては、なんの参考にもならないデータですが、いわゆる上場企業や大手企業には参考になるデータかと思います。

大手のCSR部、経営企画、マーケティングなどの方には、元の資料をチェックすることをお勧めします。

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