監視が超厳しくなった、ブラック企業と健康問題

CSRブラック企業

ブラック企業と健康問題

先日、厚生労働省が発表した「違法な長時間労働を繰り返している企業に対する指導・公表」はご存知の方も多いと思います。

長時間労働に係る労働基準法違反の防止を徹底し、企業における自主的な改善を促すため、社会的に影響力の大きい企業が違法な長時間労働を複数の事業場で繰り返している場合、都道府県労働局長が経営トップに対して、全社的な早期是正について指導するとともに、その事実を公表する。

社会的に影響力の大きい企業で、違法な長時間労働者が相当数いて、一定期間内に複数事業所で行なわれているというのが基準だそうです。

というわけで本記事では、ブラック企業にまつわるオピニオンやデータをまとめてみます。

ブラック企業とは、半強制的な長時間労働などの劣悪な労働環境の企業を指すことが多いです。ブラック企業の定義や特徴はやや曖昧ですが、従業員にインセンティブ無しの多大な負荷をかける企業の総称と考えればよいでしょう。

違法長時間労働対応

全国に展開する靴の販売店、ABCマートが従業員に違法な長時間労働をさせていたとして、東京労働局過重労働撲滅特別対策班、通称「かとく」は、労働基準法違反の疑いで2日にも運営会社を書類送検する方針を固めました。
過去にも複数の店舗で労働局の指導を受けていましたが、改善が進んでいないということで、東京労働局過重労働撲滅特別対策班、通称「かとく」は、東京・渋谷にある運営会社の「エービーシー・マート」や役員らを2日にも労働基準法違反の疑いで書類送検する方針を固めました。
ABCマート 違法長時間労働の疑い 書類送検へ

厚労省の5月発表のリリースによれば、過重労働対策強化として「かとく」の設置の他、「インターネットによる情報監視」や「メンタルヘルス対策強化」なども強化項目として上がっております。

「本省がインターネット上の求人情報等を監視し収集し、その情報を労働基準監督署による監督指導に活用」ともしております…!! これって、求人サイトに募集をかけているブラック企業とか、ヤバいんじゃない?実際の労働以外の情報監視も強化される、というのは国が本気で動いている証拠なのかもしれません。

心当たりがある人は、自社の各種サイトの求人ページを見直したほうがいいでしょう。しかも急ぎで。そうでないと…!!

詳細:【PDF】過重労働対策の一層の強化(長時間労働削減推進本部設置以降の主な取組)

労働環境と健康問題

ストレスチェック制度

平成26年6月25日に公布された労働安全衛生法の一部を改正する法律により、新たに設けられた「ストレスチェック制度」※の具体的な内容や運用方法を定めた省令(労働安全衛生規則の一部改正)を公布するとともに、告示、指針(心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針)を定めましたので、公表します。
改正労働安全衛生法に基づく「ストレスチェック制度」の具体的な運用方法を定めた省令、告示、指針を公表します

こちらも厚生労働省のリリース。「ストレスチェック制度」がCSRなのかという議論はさておき、昨今の女性・ダイバーシティ推進の流れも含めて、企業と従業員のあり方を今一度見直す必要があるかもしれません。

小売・サービス業などの、いわゆる労働集約型産業は注意が必要でしょう。“ブラック企業と大々的に名指しされている”企業が日本には数十社ありますが、特に注意が必要。心当たりがある企業担当者(それ自体問題ではありますが)は早急な対応をしましょう。

従業員の健康というコスト

日本独自の労働環境や働き方が、特にメンタル面での労働損失を大きくしている可能性がある。社員の健康を重視することは、最終的には、画一的な雇用形態や働き方から脱却し、社員に多様な働き方を提供できる組織体制や業務フロー、キャリアプランの構築することにつながるものである。
経営戦略としての「社員の健康」 健康戦略推進の重要性と労働損失コスト可視化の意義

大和総研のレポートです。従業員の多くが不健康な場合、企業のパフォーマンスは著しく低下する可能性がありますよ、と。

病気になって対応するより、予防に力を入れた方が、トータルの損失が低いというのは一般的に言われているところ。CSRや人事部門が企画を上司に上げる時には、このコストメリットを強調するとよいかもしれませんね。

健康増進策対応

従業員の健康保持・増進策を実施している企業は84.2%。目的として最も多いのは「福利厚生」で、「従業員の生産性の向上」「従業員満足度の向上」など“健康経営”関連は約3割だった。具体的内容は、「定期健康診断の実施」が9割超で最多、保健指導などの事後措置が続く
健康保持・増進対策を実施するときの問題点は、「経費がかかる」が37.7%で最多。以下、「効果的な実施方法が不明」「時間確保が困難」「費用対効果が不明」などが続き、業種や従業員年齢などの違いで直面する問題が異なることが、対策の実施を難しくする背景となっている
過重労働となる従業員を抱えている企業は12.5%。「運輸・倉庫」や「人材派遣・紹介」「情報サービス」など人手が特に不足している業種において過重労働が引き起こされている
従業員の健康管理に対する企業の意識調査

帝国データバンクのレポートです。労働時間だけですと、例えば経営・戦略コンサルタントなんて超・長時間労働とも言われますが、有名コンサルティング会社がブラック企業と言われることはほとんどありませんよね。それが良いか悪いかはわかりませんけど。

「やりがい搾取」というワードがあるのですが、トップが著名人で著書も何冊もある人の会社では憧れで入社するパターンが多く、劣悪な労働環境でも従業員が辞めないパターンがあります。従業員は企業における大切な資産として考え、きちんと対応しましょう。

まとめ

長時間労働や過酷な労働環境は多くの場合違法です。ベンチャー企業だから、そういう業種だから、などの言い訳も多くは違法です。

もちろん、そんなキレイごとばかり言っていても、業務なんて進まないというのも現実にはあると思いますが、やはり、法人という方に則った組織ですので、労働時間が短くても対応できるビジネスを構築したりする、企業努力が重要です。

上場企業・大企業の場合は特に、今回の取り締まりの対象にもなりますので、適切な対処をしていきましょう。

ブラック企業のレッテルが一度ついてしまうと、それを払拭するのはなかなか大変です。例えば、「自社名+ブラック」でGoogleやYahoo!で検索してみてください。色々な記事がヒットすると思います。参考にしましょう。(※精神力がある人のみ推奨)

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