CSR報告書作成はNPO活動報告書から?

CSR報告書作成は、NPOの活動報告書から学ぶべし。

今回は、「『支援者・受益者拡大に向けた成果を伝える報告書』を振り返って」という記事がすばらしくよく、NPOの報告書作成を解説していたので、ノウハウをパクり(長浜さん、すみません!)CSR報告書作成に応用しようと思います。

NPOの活動報告書をCSR報告書製作担当者が学ぶべき、というのは、NPOの活動報告は、企業でいうIRレポート、会社案内、CSR報告書を合わせたような、いわゆる統合報告的な側面を持ち、CSR報告書の一歩先を行くコミュニケーション・ツールという見方もできるからです。

そこから学ぶべきことは多々あるので、今回はそれをまとめよう、という話でございます。

報告書作成の前提

1、報告書は団体の価値を伝える優れたコミュニケーション・ツールである
2、単なる活動を伝えるものではなく、“成果”を伝えるものである

上記の2点の前提がまずは必要であるとされています。

これは、CSR報告書についても同じ事が言えるでしょう。御社のCSR報告書を担当する制作会社の人は毎年、この2点を確認してきますか?僕が知る限りはそんな気さくな方はいません。基本的に、発注者である御社のオーダーを“はいはい”言って終わりでしょう。コンペで制作会社を選ぶ場合はその限りではないと思いますが。

CSR報告書は読者と御社の“コミュニケーション”として考える必要があります。言いたい事を言うだけの、一方的な情報発信になっていませんか?読者の欲しい情報を届けようと努力していますか?

企業の社会貢献活動が尊いのではなく、活動によって生み出された“成果(価値)”が尊いという、当たり前のことを、毎年振り返っていますか?

報告書作成

1、目的の確認: 何のために報告書を作成するのか?
2、ターゲットの設定: 誰に報告書を読んでもらいたいのか?
3、構成の決定: 支援や利用者拡大に繋がる報告書の構成とは?
4、報告書の告知: 作成した報告書をどうやって告知するのか?
5、効果測定と改善: 報告書の効果をどのように測定・改善していくのか?

御社の担当の製作会社には、製作にあたってのマニュアルというか、フレームワークがあると思います。それがどのようなものか存じ上げませんが、上記のような“定量的”側面の強い構成になっているでしょうか?

報告に値するだけの“成果”とはそもそも何なのか。実際に成果を出したのであれば、どの程度出したのか、目標(ゴール)に間違いなく向かっているのか、ということを日々問い続ける必要があります。

GRIとか、ISO26000とかCSR報告書作成ガイドラインみたいなものはありますけど、結局ガイドラインはあくまでもガイドライン(指標)であり、その本質や企業風土は一般化できませんからね。はい。

そもそも御社が、CSR報告書を出す目的って何でしょうね?ってところまで考える必要があるようです。

参考
CSR報告書閲覧サイト5選+CSR報告書作成のレポート記事5選
CSR報告書担当者必見! CSR報告書の報告書からみる未来図[2014年版]
CSR報告書の参考にすべきCSRガイドライン7選[2013年版]

まとめ

いかがでしたでしょうか。

僕は、ここ数年、CSR報告書製作の現場から離れて、書籍執筆やライター業と、CSRや社会貢献メディア運営の仕事にシフトしています。

おおっぴらには言っておりませんが、僕の個人ミッションステートメントは「人を変え、企業を変え、世界を変える」です。

こういったノウハウ系の話からニュース的話題などの幅広く情報提供をしていくことで、読者に新しい気付きを提供し、「人を変え、企業を変え、世界を変える」を実現することができればと思い、メディア運営うやライター業にシフトしました。

とまぁ、僕の想いはそんなところなのですが、本記事はCSR報告書作成の基本の“き”です。しっかりとポイントを押さえておきましょう。

ちなみに、今回取り上げた長浜さんのブログ「飛耳長目:アメリカにみるNPO戦略のヒント」は、NPO関係者の方は必見のブログですので、ブックマークなりなんなりしておいたほうがよいでしょう。

では、今日はこのへんで。