Creating Shared Value

マイケルポーターの戦略CSRとCSV

あなたはCSVを説明できますか?

今年も大流行りだった、マイケルポーター教授のCSV(Creating Shared Value、共有価値創造)。

2012年のCSV関連記事まとめはこちら記事「マイケルポーターの戦略的CSR、CSV(Creating Shared Value)を考察するための良記事22選」です。1年間で1記事で数万PVのアクセスを稼ぎ、毎月の検索流入の下支えとなっております。

本当は、彼は本質的に何を言いたいのか論文を読んで欲しいのですが、そんな時間も英語力もないという方は、ぜひ、当記事を読み進めていただければと思います。CSV理論は、CSR関係者なら確実に押さえておきたいポイントですよん。

追記:2015年3月
CSVについての最新記事「社会的責任(CSR/CSV)の意味・定義って結局なんなの?」も合わせてお読み下さい。

CSVを深く学ぶための良記事10選

1、“CSRからCSV(Creating Shared Value)へ”が成り立たない3つの理由
「CSRからCSVへ」とか、「社会貢献からビジネスへ」というCSRの一部しか捉えていない、オピニオンをよく見かけます。現場としては、理論的なCSRとCSVの差を語るより、一つでも多くの社会課題や経営課題を解決したほうが良いと思うわけです。

2、CSV(Creating Shared Value)事例! 日本企業CSV活動事例5選
CSV事例として、日本企業CSV活動事例を5つほどピックアップしました。CSVおよび、CSRのケーススタディにどうぞ。

3、FacebookのCSR事例! 世界にネット環境を広げる「internet.org」
「internet.org」は、世界の残り3分の2にインターネットアクセスを提供することを目標として集まったテクノロジー企業、非営利団体、地域コミュニティ、専門家の世界的な共同体です。

4、CSV(Creating Shared Value)の事例集! CSV事例の良書「CSV経営」(赤池学・水上武彦)
本書は、海外・国内企業の様々なCSV事例を上げながら、CSV経営とは何かを論じています。CS(従業員満足)を超えて、HS(人間充足の実現)がCSVであると。

5、“おもしろいCSR”と、CSV(競争戦略)と、社会貢献について考えてみた
当ブログの読者の方は頭のいい、知的好奇心旺盛な方が多いと思うけど、「おもしろい」って何がおもしろいのが、その事象を一般化した概念にまで、論理的に考えたことがある人はいないと思います。まっ、それがフツーなんですけど。

6、企業のCSR担当者が見るべき、NPOとの協働のポイント7つ
CSVは企業とNPOとのコラボ必須になりつつある気がします。そんな時のノウハウとして、ポイントをおさえておきたいですね。

7、CSR担当者必見!NPOと企業の協働コラボ事例集「新しい協働のケース100」
前述の通り、企業とNPOとのコラボは今後のCSR戦略でとても重要なポイント。しっかりおさえておきましょう。

8、社会貢献や“勝ち負け”だけはない企業倫理「三方よし」
エシカルというカタカナ語は幾分か浸透してきた感じはしますが、企業倫理となると、その包容する意味範疇の詳細は知らない人が多いでしょう。

9、思考に歴史あり!マイケルポーターの「FFA-CSR-CSV(creating shared value)」の遍歴再考
なぜ、マイケルポーターは自己の戦略的CSRからCSVという概念を作ったのか。

10、マイケルポーターの戦略的CSR、CSV(Creating Shared Value)を考察するための良記事22選
CSV。「共通価値の創造」とか、「共有価値創造」と言われます。僕はシェアーなので「共有価値創造」のほうがしっくりきます。2012年のCSVに関するまとめ記事。かなり濃い情報量なので、お時間ある時にどうぞ。

CSVについて

で、結局CSVとは何なのか。

「共有価値創造」と訳されますが、結局は社会性より、成長戦略としての経済性を追求したモデルとなっている印象があります。

しかしながら、CSVがCSRの上位概念であるように語られる昨今の風潮は気になる所です。別の概念であって、上下で語られるのがおかしいと思うのです。

CSVは大企業向けには向いていますが、全ての中堅・中小零細企業に適応できるとは思えません。また、戦略的な要素が大きく、経営学の世界では議論すらされていない(メインストリームではない)とも聞きます。

「CSRからCSVへ」という戦略的な部分にとらわれすぎることなく、CSRでもCSVでもいいから「我々はなぜCSRをしなければならないのか」とか「そもそも誰のためにCSRをするのか」などの、経営の本質をつきつめたほうがサスティナブル(普遍的)だと感じる、今日この頃です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

2013年になって、ちょっと厳しめにCSV論を見るCSR関係者は増えてきている気がします。

また、CSVといっても、自分たちの得意分野、つまり、ダイバーシティに詳しい人たちはそれだけでCSVと言ったり、人権に詳しい人たちはそれだけでCSVと言ったりするわけです。

それが悪いとは言わないけど、経営のごく一部だけを切り取って、CSRだCSVだというから何かおかしくなるのではないでしょうか?

とあるCSRの枠組みを作る時に、大手コンサルのCSR担当者とか、大学の教授とか、ワークライフバランスとかに詳しいコンサルみたいな人に、プロジェクトの依頼をしたら見事に失敗したという話も聞いたことがあります。

彼らの共通点は「木を見て森を見ず」な所。概念範疇の広いCSRを俯瞰して見れないから、結局そうなるみたいですね。CSR関係者ってそんな人たちばかりと思うと非常に残念でなりません。

専門家を語るなら「足るを知る」くらいの言葉を知っていて欲しいものです。まさに厚顔無恥。

もちろん、僕もそうです。CSRやCSVの持論はもつものの、知ったかぶりはせずに、学び続けようと思います。2014年も当ブログの読者の皆様と一緒に成長して行きたいと思います。

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