ワークショップ中の僕と、講師の泉さん。

3月3日に「CSRコミュニケーションとグリーンウォッシュ」についてセミナーをしました。そこでの気付きと、講義内容の振り返りを。皆様のCSRコミュニケーション構築の参考になれば幸いです。

CSRコミュニケーションの3大ポイント

グリーンウォッシュにならためのポイントを3つまとめました。

1、SROI(社会的費用対効果)

企業活動は効果指標が設けられる必要があります。

がんばりましたが、結果はよくわかりません、ではいけません。成果を基準にしなければ、うわべだけの活動になりかねませんから。

2、長期プラン

よくあるのが、単発のCSRプログラムのイベント企画。

年に数えるほどの小さなイベントをして、誰を幸せにできるのでしょうか?自分たちの主張(正義)を明確にし常に発信していく。継続的なつながり(エンゲージメント)は単発のイベントでは作りきれませんよね。

3、主体とリアル

誰が、誰に、何を伝え、どんな行動をモチベートするのか。

また、CSRプログラムの現場に企業のトップは参加しているのか。CSR活動というと、担当者が一生懸命活動するだけで、トップを含めた全社的な取組みではないことが多いようです。主体を再度明確にし、誰が、誰のために活動するのか再考しましょう。

また現場の空気感も大切です。

CSR部の活動レポートを見て、トップがメッセージをCSRレポートに載せる。それで、現場で感じたものがメッセージとして表れるのでしょうか?忙しいから、CSRは任せきりのトップがいる企業のCSRは、本当に意義のある企業活動なのでしょうか?

ミッション・オリエンテッド・アプローチとソリューション・フォーカス・アプローチ

グリーンウォッシュにならいための思考法について。

ミッション・オリエンテッド・アプローチ(理念重視志向)と、ソリューション・フォーカス・アプローチ(課題解決志向)が、なんといっても重要です。CSRコミュニケーションが成立し、効果をあげるには活動そのものの充実が必要不可欠ですね。

ミッション・オリエンテッド・アプローチは、デザイン、機能、ニーズから構築するのではなく、「我々は○○のジャンルで、何がしたいか」を突き詰めて、それからそこに納められる機能を作り上げていく。AppleやGoogleがその手法によるビジネス構築をしています。

ソーリューション・フォーカス・アプローチは、NPOの思考法が代表例でしょう。ある社会的課題を解決する。それには何が必要か。「課題解決」という枠組みを先に定め、その後に方法論を探す。

何を売りたいか、から考えるのではなく、誰の何の問題を解決するのか、を先に考える。手段と目的のメタファーでもありますね。

ワークショップ

午前中の講義では、グリーンウォッシュの話しをしました。

グリーンウォッシュとは何かという所から、記号消費論、義理合一における姿勢、キャロルのピラミッドなど、様々観点の話しがありました。

仕事でCSRだなんだと言っておきながら、バックボーンの知識としてCSRを理解できていないと、本質的な活動ができないと考えています。

その後、各自企画作りをして、いかにグリーンウォッシュとならないようにCSR関連企画ができるか、というグループワークをしました。学び多き場でした。

特に今後、プランナー、広報、マーケターなど、広く言えばクリエイティブ職の方まで必須の知識です。特に広告に携わる人は知っておいて損はないジャンルだと思います。

参照:クリエイターに知ってもらいたい、CSRコミュニケーションの“偽り”「グリーンウォッシュ」

まとめ

今回は、5月中旬開校の「第2期ソーシャルアカデミー」のプレイベントでした。僕も5月開校のアカデミーの主任講師として参加します。

ソーシャルビジネスとは何か、CSRとは何か。様々な視点から共に学ぶ場となるソーシャルアカデミーです。

近々、詳細のカリキュラムを皆さんにご報告できると思います。ぜひご期待下さい。

参照:世界は曖昧で溢れている?環境ラベル虚飾“グリーンウォッシュ”を解決する2つの方法