サスティナビリティの良事例!ユニリーバのCSR/CSV「サスティナブル・リビング・プラン」

ユニリーバCSR

ユニリーバのCSR

ユニリーバは2010年11月に、「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン」を発表しました。

「環境負荷を減らし、社会に良い影響を与えながら、ビジネスを成長させることをめざすビジネス戦略」とされる、サスティナブル・リビング・プラン。

本プラン公表から二年余りの動きについてまとめてみました。

サスティナブル・リビング・プランとは

サステナブル・リビング・プランは、「すこやかな暮らし」、「環境」、「経済発展」という3つの分野に重点をおき、以下の七つの約束を掲げています。

1、 健康・衛生
2020年までに10億人以上がより衛生的な習慣を身につけられるよう支援します。また、5億人が安全な飲み水を得られるようにします。 これにより、下痢などの命を脅かす 病気予防に貢献します。

2、 食
ユニリーバの全製品に関して引き続き味と栄養面での品質改善を進め、 国際ガイドラインが定めた最も厳しい栄養基準を満たす製品の割合を2020年までに倍に引き上げます。これにより、数億人がより健康的な食生活を送れるようになります。

3、 温室効果ガス
2020年までに、製品のライフサイクル全体にわたって温室効果ガスの負荷を半減させます。

4、 水資源
消費者の皆さまがユニリーバの製品を使う際の水使用量を2020年までに半減させます。

5、 廃棄物
2020年までに、製品の廃棄に関連して生じる廃棄物を半減します。

6、 持続可能な調達
2020年までに、原材料となる農産物すべてで持続可能な調達を実現します。

7、 生活の向上
2020年までに、50万以上の小規模農家と7万5,000以上の小規模物流事業者をユニリーバのサプライチェーンに迎えます。

上記、七つの約束を守るため、より細分化した達成期限のある数値目標やアクションプランをおき、それぞれの経過状況や達成度をウェブサイト上にて公表しています。

かなり攻めのプランとも言えますね。実際、このプランが公表された後、社内でもかなりの動揺があったようです。

ニティン・パランジプ氏

ユニリーバのインド法人であるヒンドゥスタンユニリーバのCEOニティン・パランジプ氏曰く、この「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン」が発表された当初、ユニリーバ内でも、このプランが本当に実現可能なものなのか疑問の声を上げる人も多かったようです。また、このプランの存在がかえって、ユニリーバの競争力を損なうのではないかと恐れる人もいましたとしています。

しかし、「サステナブル・リビング・プラン」が公表されて二年以上経った今、利益を得ながら、より広範囲な社会的目標を達成することは可能であると確信し、これまで以上にエネルギッシュに仕事をしているとインタビューで答えています。

具体例

実際に以下の結果がその理由だそうです。

手洗いをする習慣がなかった地域で、衛生教育プログラムを実施しながら、ライフボーイ石鹸を売ることで、私達はお客さまの健康を促進しながら、以前よりも多くの売上げを計上しています。予防可能な病気とたたかうことによって、事業に新しい目的意識と方向性が与えられた。

家庭用浄水器ピュアイットの成功は、今まで清潔な飲料水を飲む機会を奪われていた数百万人の消費者に、安く清潔な飲料水を提供することができました。これは、今までとは異なる新しい事業区分を構築することが可能であることを示しています。結果として、ユニリーバも、お客様も利益を得た。

「プロジェクト・シャクティ」は、インドの農村部に住む女性を採用し、研修の後、当社の製品を売る訪問販売員として活動していただくことで、数多くの女性に雇用を創出しています。このプログラムは、ユニリーバの新たな市場の拡大につながった。

 
また、ニティン・パランジプ氏は、サステナビリティに関して、持続的に成長する方法を見つけ出す企業が真の競争優位性を持っていると信じており、サステナビリティを追求することが、大きな成功の原動力になると同時に、人と地球に肯定的な影響を持つことができると考えているそうな。

日本のサスティナブル事例

日本において、「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン」はどのように機能しているのでしょうか?「ユニリーバ・ジャパン会社案内2012」によると

・2011年4月に、全ての自社工場でゼロ・ランドフィルを達成。
・2011年9月、「リプトン イエローラベル」などに使用する茶葉を100%国際的な非営利環境保護団体であるレインフォレスト・アライアンス認証に切替。環境保護や茶園で働く人々の生活向上を支援することに役立っている。  
・2012年4月に表参道にオープンした「ベン&ジェリーズ」のアイスクリームは、日本で初めて国際フェアトレード認証を受けたフレーバーの商品を扱っている。アイスクリームを通じて、途上国のバニラやカカオなどの生産農家の暮らしの向上に貢献している。

とのこと。サステナブル・リビング・プラン」は身近な製品にも浸透していたんですね。
  

まとめ

サステナビリティな事業を行うことが、企業の単なるイメージUPに留まることなく、戦略的なビジネス展開になりうることをユニリーバの活動事例は示してくれています。

「巨大なユニバーサル企業だからできることでしょ?」と嘆くことなく、積極的に学びとりたいものです。

サステナビリティは、いまや限りある資源の中で生きる私達の未来を描くキーワードとなっています。サステナビリティであり、収益も上げることができる。そんな新しいビジネスモデルが、これから続々と誕生することを心から願っております。

[We Need Business Models that Blend Profit and Sustainability]

imege by ラックス|ユニリーバ

執筆:畑中ひろこ(フリーライター)
東京在住。農林業、酪農を営む岩手の山奥の家に嫁ぎ、米作りを手伝う。また、車椅子利用者の友人と、誰もが心地よく暮らせる街づくりに取組む。「自然にも人にもやさしい環境づくり」をテーマに活動中。ブログ



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