広告とCSR

ふと、「広告とCSR(生産性出版)」を手に取って調べものをしていて、
書評を書いていないことを思い出した僕です(笑)

何年も前に買ったのに未だ完読してないのですが、
結構いいこと言っている部分も多いので、
少し紹介させていただきます。

広告とCSRは僕の研究テーマの一つであり、
ビジネスの重要なポイントであります。

本の帯に書いてある通り、
広告・広報・PR系の人は必見だと思います。

CSR広告の経済的価値

あなたは「市場の失敗」という単語を知っていますか?

市場の失敗とは、
市場メカニズムが働いた結果において、パレート最適ではない状態、
つまり経済的な「効率性」が達成されていない現象を指のだそう。

その例としては、環境破壊・公害などが挙げられます。

書籍の中では、その市場の失敗を解決する一つの方法が、
CSR広告であるのかもしれない、としています。

インセンティブとしては様々な効果を示すとされるCSR広告。
しかし、誇大広告などグリーンウォッシュにも配慮する必要があると。

必読:クリエイターに知ってもらいたい、CSRコミュニケーションの“偽り”「グリーンウォッシュ」

CSR広告の必要性

90年代から頻繁に「ブランディング」という単語が、
広告制作に使われるようになったそうだ。

CSRはそのブランドを構築する企業広告の、
とても良い素材・概念であるということもあるらしい。
そして、そのブランドとしての側面が重要なのだと。

現代社会において、ブランド価値は経営資源の一つとされています。
経営資源っていうのは、「ヒト、モノ、カネ」のことですね。
今は「ヒト、モノ、カネ」+情報+ブランドの5大要素という人もいます。

経営資源を育てるのに、CSR広告は重要な役割をする、
だから必要なのだと。

参照:今年のオピニオンを総まとめ!CSRブランディングを学ぶ事例・記事10選

CSR広告の信頼性

書籍の中では、コカコーラ、三井住友銀行の例が挙げられてます。

信頼性とは、自社・顧客以外の第三者(社会)からのものもありますが、
“従業員の自社への信頼向上につながる”こともあるのです。

CSR広告を通じて、外へのコミュニケーションが、
めぐりめぐって従業員の信頼向上につながる。

このあたりは最近良く言われますが、
6年前できちっと論じているのはすごい思います。

ただ、“信頼”ってどう数値化するのか?とか、
アンケートでは“本音”は調べられないとか、
まぁ、色々言われることもあります。

一般論で信頼がどうこうと議論するのではなく、
従業員を含めたワークショップなどで議論すると、
あなたの企業らしい“信頼”の形が見えてくるかもしれませんね。

参照:CSR広告の本質はどこに?CSR広告制作における3つのマスターピース

まとめ

いかがでしたでしょうか。

しかしながら、僕がCSR広告の重要性を声高に叫んだところで、
社会が良くなるとも思えません。

本書もとても示唆に富む書籍なのですが、
クリエイターと呼ばれる人たちの多くは読んだ事がないでしょう。

今の時代だからこそ、読むべきです。
2007年の本ですが事例以外には学びがあると思います。

で、本稿のタイトル「信頼は訴求できるのか?」ですが、
僕はできると思います。で、やり方しだいかなとも思います。

広告制作をするクリエイターには絶対読んで欲しい。
CSR広告を知らずして、CSR広告を語る、
井戸の中のカワズちゃんが1人でも減る事を願っております。