CSRレポート

社員向けCSRレポート

「セガサミーグループ CSRレポート2015 ダイジェスト版(社員向け)」って冊子があるんです。

社員向けですので、オープンな情報としては存在しないようで、社外には出ないCSRレポートです。社内報的な立ち位置ということでしょうか。今回は、たまたまセガサミーグループのCSR担当の方からいただき、興味深いので紹介させていただきます。

本編(フルバージョン)は、以下からチェックしてみてください。

セガサミーホールディングス|グループCSRレポート

編集方針

本誌は、WEB上で公開されている本編(PDF版)をグループ社員の声を中心に再編集したものです。本編は、当社グループのCSRの取組みを詳細かつ網羅的に報告していますので、是非一度お読みください。
(「編集方針」より引用)

実質、社内報ですよね。最近は非財務領域の情報をまとめる動きが大手企業の一部あります。つまり「会社案内+CSR報告書=コーポレートレポート」や「CSR報告書+社内報=社内報」というような情報形態です。

予算の問題やステークホルダーとの関係上、非財務情報と財務情報の統合冊子「CSR報告書+アニュアルレポート=統合報告書」ではなく、非財務情報という情報カテゴリーで冊子を作る例です。

セガサミーさんの場合、社員ひとりひとりにこの冊子が届くようで、それなりの冊数を準備するようです。しかしながら、別に社内報を準備するより相当予算は削減できると思います。

僕は、この会社案内や社内報とCSR報告書の統合って、数年後にはトレンドになると思うんですよね。コスト・メリットもありますし。

営業さんが、会社案内とCSRレポートの2冊を見込み企業や取引先に配るより、一冊で済むならそっちのほうが利便性も高いしね。

CSRレポートのガイドライン

CSR報告書は、多くの場合、国際的なCSR報告のガイドラインを参考もしくは準拠する形を取ります。

でも従業員にとって、CSR報告のガイドラインでもある「IIRC 統合フレームワーク」とか「GRI」とか「ISO26000」なんて関係ないですからね(本当は関係なくないけど興味的な部分で)。グループ会社の人や業務なんて普段は絶対知ることはないので、そういうのを知ることの方が意義があると感じると思います。

セガサミーさんの「CSRレポート(社員向け)」というのを見て、ある種の社内報にCSRという冠がついているのは先進的だと思ったし、内容を見ても、従業員としての納得感は相当ありそうな気がします。

「社内報としてCSR報告書を使っている」という話は結構聞くのですが、社内報的にするためにCSRレポートを再編集しているのは初めて見ました。これって普通なんですかね?

BtoB企業の一部は、CSR報告書はステークホルダーの中で従業員が一番読むという企業もありますし、非財務情報を網羅するCSRレポートは色々使い道がありそうですね。

ちなみに、このCSRレポートにはとある工夫があってアンケート数が4〜5倍になったという話も。別途、意識調査などのマーケティング・リサーチをすると思えば、相当破格な予算の使い方なのかもしれません。

まとめ

やっぱりCSRレポートは、ステークホルダーの目線が重要だと思います。

従業員が“読んで面白いと思えるCSRレポート”って、日本企業っぽくて、僕は好きです。データをアップロードできなくて恐縮ですが、社内報としてCSRレポート活用を検討の企業は参考にしてみてください。

あと、CSRレポートだと、まんべんなくすべてのカテゴリーで情報開示を行なう「網羅性」か、マテリアリティや特定のステークホルダーを重視した「戦略性」のどちらを採用するのかという議論もありますが、僕はセガサミーさんのような「戦略性」を採用すべきだと思います。

とはいえ、「評価機関」(東洋経済、日経、DJSI、CDPなど)対策の開示だけは「網羅性」が重要なのでお気をつけください。

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