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従業員・社員の健康問題から考えるCSR経営100事例

健康経営

健康問題から考えるCSR経営事例

2015年4月に公表された、改正労働安全衛生法による「ストレスチェック制度」の義務化。2015年12月施行であり、2016年以降のCSR報告書にどこまで記載するか考えをまとめておく必要があります。

というわけで、本記事では従業員(社員)のメンタルヘルスの急先鋒である「健康経営」の事例をまとめます。

Googleとゴールドマンサックス

「世界の魅力的な企業ランキング」で第1位のGoogleは、社員を「資産」として扱う企業文化が浸透しており、従業員が最高のパフォーマンスで仕事ができるよう、従業員の血糖値をKPI(業績評価指標)としている。Googleが世界中の優秀な人材を魅了し続ける理由も、このあたりにあるのかもしれない。
Googleは従業員の血糖値がKPI、ゴールドマン深夜残業禁止 米国で進む「健康経営」

記事では『従業員の健康管理、健康づくりの推進は、単に医療費といった経費の削減につながるだけでなく、生産性の向上や従業員の創造性の向上、企業イメージの向上などの効果が得られ、かつ、企業におけるリスクマネジメントにもつながり、近年非常に注目を集めている考え方である。』としており、まったくその通りだと思います。

この事例で注目なのは、Googleが「血糖値」をKPIにしているという点。日本企業ではここまで突っ込んでいる所はほとんどないのではないでしょうか。

ゴールドマン・サックスは夏季インターン生に対して午前0時以降の残業を禁止したそうで、そもそも0時までは残業するのかよ、というツッコミはナシでお願いします。

SCSKとKDDI

メンタルヘルス不調者を抱えることは、企業にとって大きなコストがかかっている。年収600万円の社員が6カ月休職した場合のコストは422万円と内閣府は試算している。社員の疲弊や士気の低下、経営者と従業員の信頼関係毀損によるマイナスもはかり知れない。
大企業が実践! 儲かるメンタルヘルス対策

記事では、SCSK、KDDIの事例が紹介されています。

コスト換算すると、従業員のメンタルヘルス自体の影響は小さいようですが、労使間の信頼関係向上や、従業員のモチベーション、ロイヤリティ、ワークライフバランス向上により従業員満足度が大きく向上するらしい。まったくその通り。

大手航空会社

ある大手航空会社では、全従業員のあらゆる健康データを収集・分析し、病気になる前に予防策を講じる「データヘルス」と呼ばれる手法を、他社に先駆けて導入しました。
若年層の従業員に対して移動時は階段を使うよう呼びかけたり、社員食堂のメニューに健康を気遣ったものを増やしたりと、個々人の生活習慣を見直そうという試みです。
企業でヘルスリテラシーを高めよう!社会貢献にも繋がる健康経営とは

大手航空会社ということで社名は出ていないのでわかりませんが、ANAさんもJALさんも2015年発行のCSR関連報告書で従業員の健康に触れてますね。

社員食堂は大手企業であれば設置している所も多い印象がありますが、これからはただの福利厚生から、健康経営の実施拠点にしていく動きが生まれるのかもしれませんね。

健康経営事例集

「健康経営」への取り組み状況 (事例集・アンケート調査結果)

上記のレポートは経団連のものです(2015年11月発表)。事例として94社、全体としては200社の回答がまとめられています。

「健康経営の取り組み状況および目的」、「健康経営施策の取組内容」、「健康経営の評価指標」、「保険者との連携」、「今後の課題」の5つがメインの内容となっておりますので、大手企業の方はチェックすることをオススメします。

株式市場における健康経営

「健康経営」が株式市場のテーマになってきた。従業員の健康管理を重視することが企業価値の向上につながるとの認識が広まり、将来の成長力を検討する際の一つのポイントになってきているからだ。上場企業の間でも対応策を検討するところが増え、企業従業員の健康管理支援を手掛ける企業が市場で評価され始めている。健康経営の意識が広がるなかで、支援ビジネスを展開する企業も目先、市場の関心を集める可能性が高い。
注目度アップの「健康経営」銘柄、企業価値向上を株価織り込みへ

日経新聞によれば、健康経営の支援ビジネスも盛り上がってきているとのこと。いいじゃん。こういう、ゼロサムのビジネスではなく、他社や業界の健康経営支援は、プラスサムの経済圏につながる可能性もありますし、素晴らしい動きだと思います。

ただ、いうほど業績へのゼロサムとプラスサムの因果関係が、健康経営のみの側面で語れるかわかりませんが…。

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まとめ

時折、「健康経営=CSV」という表現を見かけますが、それはちょっと乱暴な気もしますが、言いたいことはわかります。

労働関連法を遵守するのはコンプライアンス実行上必須なことで、大前提となります。もちろん、関連法規遵守以上に、コストメリットがある取組みでもあり、従業員という重要ステークホルダーへの配慮であり、もう取り組まない理由はないですね。人事やCSR部門の方は色々タスクが増えて大変かもしれませんがきっちりやっていきましょう。

従業員が健康になって、ES(従業員満足度)が高まるなら素晴らしいことです。だって「不健康なほうがロックだぜ!」なんて言う人はいないでしょう……いないよね?



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執筆者:安藤 光展[→プロフィール詳細]